キレイにし隊! お風呂編
浴室内に発生しやすいザラツキやヌメリ、鏡に付いた水あかなど取れにくい汚れの原因と清掃方法
場所 | 症状 | 汚れの対処方法 | 清掃用洗剤 | 清掃用具 |
近年、浴槽はFRP(ポリ)・人工大理石・ホーロー・ステンレスが主流となっておりますが、風情ある木製の浴槽も人気があります。
FRP (ポリ) | 材質説明 | ■金型に樹脂塗料を塗った上にガラス繊維板を重ね、仕上に樹脂塗料を塗り重ねた汎用的な商品です。 ■サイズが豊富で価格も安価なので普及度No.1です。 ■クラックや穴が発生しても補修可能な製品です。 |
清掃方法 | ■白い膜やザラザラしたものが浴槽の表面に付いていたらバス用酸性洗剤で落とせます。 ■それでも落ちない汚れはバス用アルカリ性洗剤で落とせます。 ■さらに落ちない頑固な汚れは、微細な研磨剤で洗浄することでツヤを落とさずに汚れを取り除くことができます。 |
人工大理石 | 材質説明 | ■大理石と名前は付いていますが、主成分はアクリル系かポリエステル系の樹脂です。 ■高級感のある素材ですが、天然大理石と比較すると柔らかくキズが付きやすい素材なので、研磨剤を使用するとツヤを損なう可能性があります。できるだけ使用を控えてください。 ■人工大理石は高価ですが、滑らかで肌触りが良いのが好まれています。 ■ポリエステル系よりアクリル系の方が数倍高価な製品となります。 |
清掃方法 | ■白い膜やザラザラしたものが浴槽の表面に付いていたらバス用酸性洗剤で落とせます。 ■それでも落ちない汚れはバス用アルカリ性洗剤で落とせます。 ■さらに落ちない頑固な汚れは、微細な研磨剤で洗浄することでツヤを落とさずに汚れを取り除くことができます。 |
ホーロー | 材質説明 | ■ホーロー浴槽は、金属表面にガラスコーティングを施した浴槽で、主にホーロー用の鋼板が使われますが、鋳鉄やガルバリウム鋼板、アルミ、銅などを材料としても使用します。 ■ガラス質(陶器)のキズからサビが生じる場合もあります。 |
清掃方法 | ■白い膜やザラザラしたものが浴槽の表面に付いていたらバス用酸性洗剤で落とせます。 ■それでも落ちない汚れはバス用アルカリ性洗剤で落とせます。 ■さらに落ちない頑固な汚れは、微細な研磨剤で洗浄することでツヤを落とさずに汚れを取り除くことができます。 |
ステンレス | 材質説明 | ■耐久性や保湿性の面では抜群ですが、金属特有の肌触りが苦手と言われる方もおられます。 |
清掃方法 | ■白い膜やザラザラしたものが浴槽の表面に付いていたらバス用酸性洗剤で落とせます。 ■それでも落ちない汚れはバス用アルカリ性洗剤で落とせます。 ■さらに落ちない頑固な汚れは、微細な研磨剤で洗浄することでツヤを落とさずに汚れを取り除くことができます。 |
木材 (ヒノキ 等) | 材質説明 | ■檜(ヒノキ)材以外にも、槇(マキ)材や椹(サワラ)材でつくる浴槽もあります。 使用期間は12年~20年程度ですが、お手入れ次第で大きく期間が変わります。 お風呂は湿度が高いので、腐朽菌(ふきゅうきん)が繁殖しやすい環境です。 湿度を下げる場合は、完全乾燥してしまわないよう換気扇を回したり窓を開けるなどのソフトな乾燥でお願います。 また、、5日以上使用しない場合はポリバケツなどに水を入れて浴槽内に置いておくなど、適度な湿度が保てるよう工夫してください。 |
日常清掃 | ① 浴槽外側の石鹸カスを柔らかいスポンジ等で擦りシャワーで流してください ② 排水前に柔らかいスポンジ等で浴槽内側をやさしく擦ります ③ お湯を排水したら浴槽内部をシャワーで流す ④ 排水が完了したら柔らかい布で浴槽全体を拭いてください ⑤ 浴室の換気扇を回し、浴室を乾燥させます | |
定期清掃 | (日常清掃では取り除けない汚れの清掃) ■黒カビやシミなどはサンドペーパーで研磨します。 ■サンドペーパーの粗目は使用せず、中目→細目、最後に極細目で表面をツルツルになるよう仕上げてください。 ■薬品系洗剤による肌トラブルを避けるため浴槽内側の洗浄にご注意ください。 ■硬めのブラシ等は木製浴槽をキズ付ける恐れがありますので避けてください。 |
石鹸カスとは
知 識 | よく知られている石鹸カスとは、風呂場や洗面場でよく見かける白い膜やザラザラしたもので、性質はアルカリ性です。 これは浴用石鹸に含まれている脂肪酸ナトリウムが水道水に含まれているカルシウムなどの金属成分と反応して形成されています。 また、同じ石鹸カスでも、皮脂汚れ(入浴中に皮膚から出る脂やアカ)と石鹸成分が反応してできたヌルヌルしたものは酸性です。 |
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解決方法 | 石鹸カスはアルカリ性と酸性の2つの性質を持っていますので、それぞれの性質に分けて洗剤を使用します。 白い膜やザラザラしたものは酸性洗剤で落とすことができます。 逆にヌルヌルした床などの石鹸カスはアルカリ洗剤で落とします。 |
日常清掃 | 石鹸を使えば必ず石鹸カスができてしまうので、ひどくならないためには日々の簡単な予防が重要となります。 石鹸カスは放置時間が長くなるほど落とすのが面倒になりますので、石鹸を使用した後はスポンジやブラシなどで軽くこすっておくことが大切です。 反応前に落せば石鹸カスは付着しにくくなります。 |
皮脂汚れとは
知 識 | 浴槽のヘリや洗い場の床面などがザラザラしたり黒ずんだりする皮脂汚れは、入浴中に皮膚から出た脂やアカ、水道水の成分、その他雑菌が一緒になって蓄積したものです。 |
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解決方法 | 皮脂汚れは酸性なので、基本的にはアルカリ性の洗浄剤で落とすことができます。 |
日常清掃 | 皮脂などの汚れが付きやすい場所を中心に中性の風呂用洗剤などを普段使いすると汚れの蓄積を軽減することができます。 |
ピンクの汚れとは
知 識 | 浴室の床や壁面、パッキン部分に発生しやすいピンク色の汚れ(ヌメリ)は「ロドトルラ」という菌です。 水分、石鹸カス、皮脂などを栄養分として増殖します。 |
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解決方法 | 消毒用のエタノールを含ませたティッシュ等を10秒程度当てるだけで死滅します。 その後、水を流しながらブラシなどでこすり落としてください。 |
日常清掃 | 水分や汚れが溜まりやすい場所では、バス用の洗剤などを使用し、ブラシ等で擦り洗いしてヌメリの発生原因を除去します。 |
黒いシミ(カビ)とは
知 識 | 浴室の天井や壁面のタイル目地、浴槽のエプロン内側、ドアゴムのパッキンなどに多く繁殖します。 黒カビは湿度が5℃でも発生し、25℃前後で最も繁殖します。 また、湿度に関しては65%以上で発生し、80%以上が最も繁殖します。 皮脂汚れや石鹸カス、その他の雑菌がカビ菌を活性化させています。 |
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解決方法 | ほとんどの黒カビは次亜塩素酸ナトリウムを主成分とした液体漂白剤ですぐに取れますが、ドアのゴムパッキンなどはカビの胞子が深く入り込んでしまうため、ゲル状の塩素系カビ取り剤「カビトルデス」や「かびとりいっぱつ」などを塗り、2時間ほど放置した後、十分に流します。 流す際にブラシなどを使うとすぐに取り去ることができます。 また、木製部分に発生したカビは「カビスケ」や「ノーベルAB(亜塩素酸ナトリウム系)」などの木製専用漂白剤をご使用ください。 塗布後、2時間程度放置した後水拭きします。(浴槽には使用できません) |
日常清掃 | 換気を良くし湿気がこもりにくい状態が好ましいのですが、温浴施設等で難しい場合は、バス用のアルカリ洗剤等を使用して皮脂汚れが残留しにくい状態にします。 もし黒いカビを発見した場合は急激に浸透(根を張る)しますので、早急にカビ取り剤で除去してください。 |
白いかたまり(エフロ/白華)とは
知 識 | お風呂場床面の磁気タイルや壁面、ブロック、レンガの目地、モルタル床の表面などに多く発生します。 エフロ(白華)は、モルタル中の水酸化カルシウムが雨水や霜などに溶けだした後、空気中の二酸化炭素などと反応して炭酸カルシウムになったものをいいます。 屋外の場合、発生する時期は雨や雪、霜などの湿気を多く含みやすい冬や梅雨などが多くなります。 ※モルタルとは、石灰石に砂と水を合わせたものをいい、主にブロック塀などの接着材として使われます。 |
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解決方法 | 洗浄部分のひび割れを防ぐため、水養生してから盛り上がっている部分をケレンなどで削り取ります。 残った部分は、エフロ落とし用の酸性洗剤で除去します。 少し残った部分はワイヤーブラシ等、硬めのブラシや研磨剤入りのブラシで落ちる場合もあります。 |
日常清掃 | 浴室内で発生する場合の原因の一つに水あかやシャンプー、リンスの残留があります。 無害ではあるものの見た目に良いものではないため、ブラシなどで擦り洗いし汚れを残さないことが予防になります。 |
浴室内のサビとは
知 識 | お風呂に使用されている金属は水道の蛇口、シャワーヘッド、排水溝の目皿などですが、ほとんどが真鍮の合金でできている為、発生するサビは青サビになります。 ステンレス自体は基本錆びないのですが、漂白剤に反応するため鉄と同じ茶サビが出ることがあります。 ※鉄などの金属を置いていたことによるもらいサビもあります。 サビは基本、金属が酸化することで発生しますので還元剤を用いて取り除くことができます。 |
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解決方法 | サビ取り剤には4つのタイプがあり適したものを使用します ・中性タイプ(液体) 化学床タイル、アルミ、ステンレスに適しています。 ただし、サビに反応すると濃い赤紫色になりますので素材に浸透しやすいコンクリートや木材などには不向きです。 ・中性タイプ(クリーム状) 素材に浸透しにくい為、コンクリートや木材にも使用できます。 ・酸性タイプ(液体) タイル、石材、一般外壁などに付いた鉄錆の除去に使用します。 ただし、鏡面磨きの石材等に使用すると艶ボケする恐れがあります。 ・酸性タイプ(研磨剤入) 粗目の研磨剤が入ったサビ落としは、サビを擦り落とすのに適していますが、鏡面磨きの素材などには細かな擦り傷が入る場合があります。 細目の研磨剤が入ったサビ落としは、金属面の光沢を出すのに適しています。 |
日常清掃 | 銅や真鍮に発生する緑青(青サビ)は、酸と塩分と湿気が充分にあることで発生しますので、換気を良くしたり、酸や塩分が残らないようなるべく水洗いすることで予防できます。 発生しても特に身体には影響がないのですが、見た目があまりよくないので酷くなる前にサビ取り剤で除去してください。 尚、金属が酸化することで発生する鉄錆(茶サビ)につきましては、金属を腐食していきますので、できるだけ早期に除去してください。 |
水あかとは
知 識 | 水道水に含まれるカルシウムなどのミネラル成分が(水が蒸発した後)固まったものです。 蓄積することで水の排出をせき止めるので、どんどん蓄積し線を描いたような白っぽいかたまりになります。 |
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解決方法 | 触っても凹凸が分かるようなひどい水あかの場合は、研磨用スティック(ポリッシュバー等)や研磨用パッド(ダイヤモンドパッド等)である程度先に削り、残った水あかは酸性洗剤で除去します。 |
日常清掃 | カルシウムやミネラル成分を含む水分がある場所には、必ず水あかが発生しますので完全に防止する事は難しくなります。 ただ、水分を停留させない状態(こまめな拭き取りや水切り)であれば水あかは予防できます。 |
ウロコ(燐状痕)とは
知 識 | カガミの表面が水滴の痕のように白っぽくなってしまう汚れをウロコ状の水あか(鱗状痕)と言います。 鱗状痕は水に含まれている「カルシウム」や「マグネシウム」「ケイ素」等が乾燥してカガミに残り、それが白っぽいウロコ状の汚れとなったものです。 特に水分が常時発生している場所ではカガミの成分であるケイ素と水の成分であるケイ素が結合してしまい、より一層取り除くことが難しくなってしまいます。 |
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解決方法 | ウロコ落とし専用の洗剤(クリンカ、ウロコクリーナー)で結合を外し落としやすくしたり、微細クレンザー(しゃらく・ダイヤモンドクレンザー)や研磨材(ダイヤモンドシート、ダイヤモンドパッド)などで物理的に取り除くことが可能です。 |
日常清掃 | ウロコは放置するとカガミと強固に結び付きますので、可能な限り水切り用のスクイジーで水分を落としたり、クロスやタオル等で水分を除去することが最大の防止策となります。 ただ、温泉施設等で24時間多湿な場所に設置されているカガミの場合は水分の除去が難しいため、通常清掃後に水分を除去するなど、一旦水滴を取り除くという作業を行ってください。 |
油膜とは
知 識 | ウロコ(鱗状痕)を完全に除去した後もカガミの表面が乾いてくると曇ったような映りになることがあります。 これは空気中に含まれる油分やシャンプー、リンス剤に含まれる油分(シリコン等)などが原因で発生し、油膜といわれます。 |
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解決方法 | 油膜落とし専用洗剤「鏡・ガラスキレイに!」や「ガラスポリッシュPRO」などで油膜を除去することができます。 |
日常清掃 | 油膜の原因は油分なので、アルカリ性の洗剤でカガミを洗浄してください。 |